NFSの教科書シリーズ、最終章へようこそ。これまでの章で、NFSサーバー (n) とクライアント (c) の構築、v3とv4の違い、そして恒久的なマウント方法について学びました。しかし、実際の運用では「なぜかマウントできない」という問題が必ず発生します。

この章では、昨日のようなつまずきを解決するための体系的な**トラブルシューティング(問題解決)**の手順と、NFSのセキュリティを強化するための基本的な概念について解説します。


🔍 ① マウントできない時の確認事項(診断チェックリスト)

クライアント (c) で mount コマンドが失敗した時、慌てる必要はありません。問題は必ず「クライアント (c) 側」「サーバー (n) 側」「ネットワーク経路」のどこかにあります。以下の手順で一つずつ確認します。

例えるなら:

「鍵(クライアント c)が金庫(サーバー n)を開けられない」時、

  1. 鍵は正しいか?(クライアントのコマンド)

  2. 金庫の鍵穴は壊れていないか?(サーバーのサービス)

  3. 金庫のルール(exports)は正しいか?

  4. 警備員(ファイアウォール)が邪魔をしていないか?

    ...という順番で確認していく作業です。

ステップ1:クライアント (c) 側での基本確認

確認1:ネットワーク疎通 (Ping)

そもそもクライアント (c) はNFSサーバー (n) とネットワーク的に会話できる状態かを確認します。

# クライアント (c) で実行
ping -c 3 192.168.1.100

確認2:サーバー (n) の公開情報 (showmount)

クライアント (c) から見て、サーバー (n) が「何を」「誰に」公開している(つもり)かを確認します。これは最も重要な診断コマンドの一つです。

# クライアント (c) で実行
showmount -e 192.168.1.100