これまでの章で使った sudo mount コマンドは、非常に便利ですが、クライアント (c) を再起動するとその接続はすべて失われてしまいます。手動で再度 mount コマンドを実行するのは非常に面倒です。

この章では、クライアント (c) の「ファイルシステム・テーブル(/etc/fstab」という設定ファイルを活用し、OSの起動時にNFS共有を自動的(恒久的)にマウントする方法を解説します。


/etc/fstab:OSの「自動接続台帳」

目的:

/etc/fstab("File System Table" の略)は、クライアント (c) が起動する時に「どのデバイスを、どこに、どの設定で」マウント(接続)するかをOSに指示するための、非常に重要な設定ファイルです。

例えるなら:

mount コマンドが「その場限りの手動接続」だとすれば、/etc/fstab に記述するのは「スマートフォンのWi-Fi自動接続設定」です。

一度この台帳に「このNFSサーバー(Wi-FiのSSID)を見つけたら、この設定(パスワードやオプション)で、自動的に /mnt/nfs(接続先)に接続してください」と登録しておけば、OS(スマートフォン)は起動(Wi-FiがON)するたびに、自動で接続を試みてくれます。

どんな時に使う?:

クライアント (c) を再起動しても、常にNFS共有を利用可能にしたい場合に必須の設定です。


/etc/fstab の基本構造

/etc/fstab ファイルの各行は、1つのマウント設定を表し、6つのフィールド(項目)がスペースまたはタブで区切られています。

# 構文:
# [デバイス] [マウントポイント] [タイプ] [オプション] [ダンプ] [パス]
  1. [デバイス]: 接続元(NFSの場合は サーバーIP:共有パス)。
  2. [マウントポイント]: 接続先(クライアント (c) 側のディレクトリ)。
  3. [タイプ]: ファイルシステムの種類(nfsnfs4)。
  4. [オプション]: 前の章で学んだ o の内容(rw, hard, vers=3 など)。
  5. [ダンプ]: dump コマンド(バックアップ)の対象にするか。NFSでは 0 (しない) を指定します。