<h1>毎日の開発サイクルをマスターする:基本Gitコマンド集 Part 1</h1>

こんにちは!シリコンバレーのエンジニア兼講師です。これまでの章でGitの強力な概念について学びましたね。この章では、その概念を実際の行動に移すための、最も基本的で重要なコマンド群を解説します。

ここで紹介するのは、プロの開発者が毎日、呼吸をするかのように自然に行う一連の作業サイクルです。この流れをマスターすれば、君もチーム開発のリズムにスムーズに乗ることができます。さあ、一緒にGitとの対話を始めましょう。


<h2>開発者の一日:基本となるコマンドサイクル</h2>

Gitを使った開発は、一連の決まった流れに沿って進められます。これは、プロジェクトを常に安全で最新の状態に保ち、チームメンバーとの共同作業を円滑にするための、洗練されたお作法です。

  1. git clone:【最初の1回】リモートのプロジェクトを自分のPCに複製する。
  2. git pull:【作業開始時】チームの最新の進捗を自分のPCに反映させる。
  3. git switch -c:【新タスク着手時】自分専用の作業ブランチ(枝)を作成し、そこに移動する。
  4. git add:【区切りの良い所】変更内容を次の記録(コミット)に含める対象として選ぶ。
  5. git commit:【区切りの良い所】選択した変更内容を、メッセージを付けてPC内に記録する。
  6. git push:【タスク完了後】PC内に記録した内容を、チームのサーバーにアップロードして共有する。

では、各コマンドを詳しく見ていきましょう。


<h3>① git clone:プロジェクトの複製</h3>

目的: リモートサーバー上にあるプロジェクト(リポジトリ)を、開発履歴も含めて丸ごと自分のPCにコピーします。これは、あなたがプロジェクトに参加するとき、最初に一度だけ実行するコマンドです。

例えるなら: チームで共有している中央図書館にある「設計図の本」を、全巻コピーして自分の研究室に持ち帰るイメージです。

コマンド例